ゴールデンアクリリックス

   
―アクリル絵具の特性―
 

1.アクリル絵具について

1.アクリル絵具について
 
絵具は顔料という色の付いた粉と、顔料と素材を定着させるための樹脂から成り立っています。樹脂というと堅苦しく感じられるかもしれませんが糊分とご理解ください。顔料は染料と違って水にも溶剤にも溶けず、他のものに付着する力がありませんので素材と顔料を定着させる、あるいは顔料同士を固めるために糊分が必要です。油絵具にはポピーオイルやアマニ油といった植物油が使われ、天然の水溶性樹脂であるアラビアガムで作られた絵具には水彩絵具やポスターカラーがあります。

アクリル絵具は合成のアクリル樹脂エマルジョンから作られています。エマルジョンというのは水の中に油性の物質が細かく分散している状態のもので、身近なものとしては牛乳やマヨネーズがあります。アクリル樹脂エマルジョンは0.1μ位のアクリル樹脂、つまりプラスチックの微粒子が水に分散されたものです。0.1μとは1ミリの1万分の1の大きさですので肉眼はもちろん、光学顕微鏡でも見えない大きさです。水分の蒸発に伴ってこれらアクリル樹脂の微粒子が融着し連続したフィルムを作ります。このため乾燥した塗膜は再び水に溶けることはありません。
 
アクリル絵具の特徴としては次のことが挙げられます。
 (1)水で薄められるが、乾くと耐水性になる。
 (2)乾燥が早い。
 (3)多くの素材に接着する。
 (4)耐久性がある。
 (5)柔軟で強靱な塗膜になる。
 
(1)水で薄められるが、乾くと耐水性になる。
水で薄めたり、水で洗ったり出来るのに乾くと耐水性のある塗膜ができあがります。油絵具のように溶剤を使う必要はありませんし、水彩絵の具のように色を重ねて下の色をにじませたり、作品を水に濡らして台無しにしてしまう心配がありません。
 
(2)乾燥が早い。
 
油絵具のように色を重ねていくのに下地の乾燥を何日も待つ必要はありません。塗った厚みにもよりますが20分~1時間待てば下の色に影響を与えることなく、次々に色を重ねていくことが出来ます。
 
(3)多くの素材に接着する。
キャンパスや紙に描くだけでなく、木、プラスチック類、布、コンクリートと限りなく表現の対象を広げていくことが出来ます。
 
(4)耐久性がある。
コンクリートに描くなど屋内から屋外へと使用の幅を広げることが出来るようになったのは耐久性の良さによります。耐水性があるだけでなく、酸やアルカリに強く、紫外線に対してもある程度の耐久性を持っています。アクリル樹脂だけなら2~3年で劣化しますが、紫外線に強い顔料と組み合わせて紫外線を遮断すれば5~10年くらいなら屋外での使用に耐える絵具、屋内なら半永久的に作品を保てる絵具が生み出せます。油絵具のように亀裂が生じたり、焼けて色変わりするようなことがありません。
 
(5)柔軟で強靱な塗膜になる。
柔軟でありながら強靱な膜を作ります。アクリル樹脂はほんの少し化学構造を変えるだけで様々な固さに変化します。ガラスの代わりに使われるようなものから、ゴムのように柔軟なものまでいろいろなタイプのものがあります。アクリル絵具には比較的柔軟なものを使用していますので厚く塗っても折り曲げて割ることはありません。
 
 ●(5)の特徴はゴールデンアクリリックス、アーティストカラーなど樹脂分の多い、いわゆる
   アクリル絵具の特徴です。顔料成分の多いタイプのアクリル絵具、ターナーのアクリルガッ
   シュのような絵具はこの柔軟性を備えていません。ガッシュは樹脂分が少ないために樹脂の
   持つ柔軟性を発揮できないのです。このため厚く塗ったり、折り曲げたりすると割れてしま
   います。しかし顔料分が多く、しかも顔料が樹脂に完全には覆われていないため不透明に仕
   上がります。(1)~(4)の特徴を保ち、柔軟性の代わりに不透明性と隠蔽性を上げたアク
   リル絵具がアクリルガッシュです。
 
さて、ここまでアクリル絵具の良い面ばかりを取り上げましたが、欠点がないわけではありません。油絵具はほとんど蒸発する成分が無く、化学変化を起こして乾燥する絵具ですので乾燥時の体積の減少はごくわずかです。しかし、アクリル絵具は重量で40%、体積比では半分以上の水を含んでいます。このため乾燥すると大幅な「痩せ」が生じます。あらかじめこれを計算しないと、思い通りの盛り上げ表現が出来ません。
 
もう一つの欠点は、絵具の色と簡素した色が異なることです。エマルジョンは透明な樹脂溶液ではなく、乳白色の液体で乾燥すると透明になるのです。このため、乾く前の絵具の色がより白っぽくなり、乾いた色との差が出てしまうのです。水と樹脂の屈折率の違い、水の蒸発による体積の減少もこの違いをより大きくする方に作用しています。

このような欠点もありますが、多くの特性を有するアクリル絵具は多くのアーティストに支持され現在では油絵具の代用ではなく、新しい表現手段として様々な用途で用いられています。
 

2.ゴールデンアクリリックスのコンセプト

2.ゴールデンアクリリックスのコンセプト
 
ゴールデンアクリリックスは基本的に「一つの色には一つの顔料」を使うことをポリシーに作られています。これは顔料本来の色を引き出し、純粋な色を導き出すためです。色を混ぜれば混ぜるほど濁ってくることは皆さんも経験されているでしょう。顔料も同じことで、混ぜて絵具を作ればどうしても元の顔料よりも濁った色しかできません。

異なった色の顔料を混ぜて新しい色を作り出すということが必ずしも悪いことではありません。グレーや鮮やかな黄緑、パステル色などは混ぜ合わさなければ出来ませんし、場合によっては色の深みを出すためにわざと異なる顔料を加える場合もあります。プロの画家の方々でもせいぜい20~30色の絵具を選ばれて、あとは自分の好み、個性にあった色、作品を作られています。

しかし色を混ぜることは自由に出来ますが、濁った絵具を鮮やかな色に戻すことはできません。好みの色を選ぶのはメーカーの側ではなく、ユーザーの皆様の権利であり、それを実現させるために純粋な材料-絵具を提供するのがメーカーの務めであるというのがゴールデン社の考え方です。プロのこだわりに応えるには、顔料単独の純粋な色を提供し、それを混ぜることは作り手の皆さんにお任せする、ということが必要だと考えているのです。純粋なカラーの提供、これがゴールデンアクリリックスの最大の特徴です。
 
 
ゴールデンアクリリックスを使用した作品1
DARRYL HUGHTO "Greek Goddess"
 
ゴールデンアクリリックスを使用した作品2
MICHAEL RINGER "Limit Up"
   
 

3.アーティストカラーのコンセプト

3.アーティストカラーのコンセプト
 
顔料の特徴をそのまま生かした素材を提供することでゴールデンアクリリックスは支持を広げてきました。しかし「強い光沢が好きになれない」という方も相当おられました。マットメディウムやゲルメディウムを混ぜることによって光沢は調整できますが、一定の光沢に調整するには手間がかかります。またメディウム分を混ぜることで顔料分が低下します。ゴールデンアクリリックスは顔料分が高いので少々メディウムを混ぜても通常の使用には差し支えませんが、より強く色を強調したい場合など、若干の物足りなさを感じられるかもしれません。
アーティストカラーはより効果の高いツヤ消し剤を採用することにより、顔料濃度をほとんど下げず光沢を抑えたアクリル絵具です。連続したアクリル樹脂の塗膜を作りますので、従来のアクリルガッシュほどの不透明性はありませんが、ゴールデンアクリリックス同様、塗膜の柔軟性を維持できる限界まで顔料を添加していますので適度な不透明性を有しています。
強い光沢のため敬遠されていたアクリル絵具を落ち着いたツヤに仕上げたのがアーティストカラー、水性にもかかわらず「油絵のタッチで描ける」画材がアーティストカラーです。
   
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ゴールデンアクリリックスとアーティストカラーは多様な可能性を持った描画材料です。油絵具や水彩絵具のような表現も出来ますし、油や水彩には出来ない表現も可能な絵具です。是非、このすばらしい素材を手に新しい表現に挑戦してください。応援させていただきます。
 
(2006年6月9日 ターナー色彩アクリルワークショップ東京会場の資料に基づく)
 

ゴールデンアクリリックス色見本

ゴールデンアクリリックス色見本
 
色見本1
( 2013-03-15 ・ 463KB )
 
色見本2
( 2013-03-15 ・ 473KB )
 

廃番カラーのご案内

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トランスペアレントイエローオキサイド(102B)とトランスペアレントレッドオキサイド(106B)が廃止になりました。当社在庫は20mlで各2本だけです。お使いのお客様はお早めにご用命下さい。
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